長崎市の平和公園に韓国人原爆犠牲者慰霊碑が建立(長崎市)

 長崎への原爆投下で犠牲になった朝鮮半島出身者を追悼する「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」がこのほど、長崎市の平和公園の一角(原爆資料館前)に建立され、6日に除幕式と慰霊祭が開かれました。(在日本大韓民国民団(民団)や駐福岡韓国総領事館などでつくる慰霊碑建立委員会が主催)

 この韓国人原爆犠牲者慰霊碑は、長崎の原爆(1945年8月9日)で亡くなった約7万4000人のうち、数千人から約1万人と推定される朝鮮半島出身者の慰霊と、戦争の惨事を繰り返さないことを願うために同委員会が建立したものです。

 同名の慰霊碑は広島に建てられていますが、長崎にはなく、民団などが建立をめざしていました。公明党は「原爆の被害者に国境はない」との思いから、市議会公明党を中心に民団関係者の意向を市につなげるなど建立を後押し。慰霊碑建立委員会が碑文の内容などを市と協議し、今年度、設置が許可され実現に至りました。

 この日の除幕式や慰霊祭には、韓国の姜昌一駐日大使や民団中央本部の呂健二団長、市議会公明党の向山宗子、林広文の両市議らが出席。長年、韓国の被爆者支援に携わってきた平野伸人さん(平和活動支援センター所長)や核廃絶を世界に訴える日本の「高校生平和大使」も参加。

 除幕式では出席者が花や折り鶴を手向け、原爆投下時刻の午前11時2分に合わせて黙とう。その後、慰霊祭で呂団長は長崎市など関係者に謝意を示し「核兵器のない世界をつくることを共に心に刻みたい」と強調しました。

 あいさつに立った姜大使は、慰霊碑建立について「日本の方々が心を尽くして協力してくれた結果。特に山口(那津男)代表をはじめ、公明党の皆さんのおかげでこの大きな事業を成し遂げられた」と表明。「韓日間の模範的な協力事業として歴史に記され、世界の平和のとりでを築くことに貢献する大きな一歩となることを願う」と述べました。

(2021/11/17公明新聞より)

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