「要約筆記」を離島でも 聴覚障がい者らに文字で伝える(鹿児島県奄美市)
聴覚障がいなどで会話による意思疎通が難しい人を支援するため、鹿児島県奄美市は現在、会議などの内容を要約して文字で伝える「要約筆記」の体制整備に力を注いでいます。市は今年度、支援者を派遣する事業をスタートしました。
要約筆記の支援については、県も同様の派遣事業を実施していますが、離島にある奄美市では、費用や日程など課題が多く、支援が必要な人にとっては、支援を受けるのが難しい状況が続いていました。
ようやく始まった支援事業ですが、派遣人員の確保が課題となっています。現在、市に登録されている「要約筆記奉仕員」は1人のみ。人材不足を解消しようと、市社会福祉協議会は9月、「要約筆記奉仕員養成講座」を開講しました。
要約筆記の普及に向けては、「あまみ難聴者中途失聴者協会」の会長と、相談を受けた公明党の栄ヤスエ市議が力を尽くしてきました。
会長は2016年、鹿児島市内で要約筆記の支援を体験。その後、難聴者や中途失聴者の実情を周知しようと取り組む中で、18年に同協会を立ち上げ、派遣事業の実現をめざして活動してきました。一方、栄市議は議会質問で要約筆記について取り上げ、人材養成の必要性を訴えてきました。