重度障がい者の命守る 市役所の非常用電源を活用(福岡県久留米市)
今月の台風10号で、重度の脳障がいを持つ久留米市在住の男性は、自宅以外で初めて非常用電源が備わった避難所で台風が過ぎ去るのを待つことができました。
男性は、空気中の酸素濃度を高める酸素濃縮器と、酸素飽和度や脈拍を示すサチュレーションモニターの装着が常時必要で、24時間、電力供給が欠かせません。そのため、これまで避難所に移動することができずにいました。
そうした実情を知った公明党の山下尚市議は、2017年9月の定例議会で、非常用電源を整備した市役所の会議室を重度障がい者のために避難所として開放するよう主張。市は今回初めて、同市役所内3階の非常用電源が整備された会議室2部屋を重度障がい者向けの避難所として運営しました。
徐々に風雨が強まりつつあった6日夕、山下市議は男性の母親と協力して男性を専用のストレッチャーに乗せて市役所へと向かいました。豪雨などの災害の度に、「停電になるかもしれない」と不安な中で過ごしてきましたが、この日初めて、心強い環境の中で一夜を過ごすことができました。
山下市議に男性の母親は「いつも温かく励まし、一生懸命動いてくれる山下市議には、本当に感謝している」と涙ながらに語っていました。
(2020/9/25公明新聞より)