完成した天神ビジネスセンターを視察、意見交換(福岡市)
国家戦略特区制度を活用した福岡市の再開発促進事業「天神ビッグバン」の規制緩和第1号ビルとなる「天神ビジネスセンター」が9月、同市中央区に完成。
同事業により民間ビルの建て替えが進むことで、企業誘致や感染症対策に特化したポストコロナ時代の街づくりが加速すると期待されています。同事業を推進してきた公明党市議団(黒子秀勇樹団長)のメンバーはこのほど、現地を訪れ、関係者と意見を交わしました。
今回誕生した天神ビジネスセンターは、地下2階、地上19階建てで、延べ床面積は6万平方メートル超。同センターの特長は、除菌や非接触など感染症対策を重視した点。セキュリティーゲートには、エレベーター先行予報システムを導入。利用者がゲートにカードをかざすと、最適なエレベーターに誘導され、ボタンを押さずに目的の階に移動できます。ほかにも無人受付機や非接触で使えるトイレ、強力な換気装置などが導入されています。
市は2014年、地域限定で規制や制度を改革する国家戦略特区に選ばれ、これを機に、同特区による航空法の高さ制限の特例承認や、市独自の容積率緩和制度などを組み合わせ、新たな雇用と空間を生み出す事業「天神ビッグバン」を開始。天神交差点から半径約500メートルのエリアを対象として、民間ビルの建て替えを促しました。
20年にはコロナ禍に対応するため、感染症対策を施したビルを対象に、さらなる容積率の緩和を認める優遇措置を拡充。これらの制度により、同センターは、高さが67メートルから89メートルに、容積率が800%から1400%に大きく緩和されました。
福岡市ではこれまで、都市部のビルの老朽化や、企業誘致の受け皿となるオフィス不足が課題でしたが、天神ビッグバンにより、既に43棟(10月末現在)の建て替えが完了。26年までに、市内に約30万平方メートルの新築オフィスが誕生することになります。特に、天神における大規模オフィスの割合は、2割から4割に増え、東京都心に迫る水準になるといいます。
党市議団はこれまで、予算要望などを通じ、市が掲げる「感染症対応シティ」を意識した天神ビッグバンの推進を訴えてきました。黒子団長は「今後も、ポストコロナに対応した街づくりに取り組んでいく」と意気込んでいました。
(2021/12/16公明新聞より)