相乗りおもやいタクシー好評 割安、便利「ありがたい」(熊本県・荒尾市)
熊本県荒尾市は、人工知能(AI)を活用した相乗りタクシー「おもやい(OMOYAI)タクシー」の運行を昨年10月から実施し、利用者から好評を博しています。「おもやい」とは、九州地方の方言で“共有する”との意味。市によると、市内全域での相乗りタクシーのAI配車は全国初の試み。
おもやいタクシーは、利用者同士の相乗りを前提とした、路線バスやタクシーの中間的なサービス。市は、少子高齢化に伴う利用者減少や運転手不足によって、不採算バス路線の廃止・減便といった再編を進めており、交通利便性の向上や、持続可能な公共交通体系の構築をめざし、おもやいタクシーを導入しました。
利用するには、スマートフォン(スマホ)で申し込みサイトにアクセスするか、受付に電話して予約。初回のみ利用者登録を行い、乗車する時刻、場所、行き先、人数を伝えると、AIが他の利用者の予約状況に応じて最短経路を割り出し、配車します。
運行時間は午前8時から午後5時まで。運賃は1人につき2キロ未満が300円で、1キロごとに100円ずつ上がり、700円が上限です。小学生は半額、未就学児は無料になるほか、スマホによる予約などで50円割引きされます。
昨年10月から1月末までの利用者数は延べ2524人に。ある71歳の女性利用者は、買い物や通院でおもやいタクシーを週2、3回の頻度で利用。「足が不自由で自宅にこもりがちだったが、外出する機会が増えた。移動に便利な上、通常のタクシー料金よりかなり安く、本当にありがたい」と語っています。
公明党の俣川勝範・荒尾市議は2009年3月の定例議会で、高齢者や障がい者などの移動を支えるデマンド交通の導入を提案。中野美智子市議も15年6月の定例議会で、買い物難民を支援する観点から公共交通施策の充実を訴えるなど、交通弱者対策の強化に向け精力的に取り組んできました。
(2021/2/17公明新聞より)