人命優先と景観回復一挙解決 名勝の落石撤去、氾濫防ぐ(大分県・中津市)
大分県中津市耶馬渓町深耶馬を流れる山移川にあった落石がこのほど撤去され、「長年の地域課題がようやく取り除けた」と周辺住民から喜ばれています。
この落石は2016年6月、断続的に降った大雨の影響で、山移川の近くにある「鳶の巣山」の山腹にあった柱状節理の岩壁が幅30メートル、高さ50メートルにわたって、はがれ落ちたものの一部。激しい雨が降ると、川の水がせき止められ、氾濫する危険性があるため、地元は、早期に撤去するよう県に要望していました。
現地は「一目八景」と呼ばれ、周囲の岩峰群を堪能できる有名な景勝地。国の文化財に指定されている「名勝耶馬渓」の一つ。自然の営みを残す目的から、落石の撤去は、なかなか前に進みませんでした。
「危険だから、何とかしてほしい」。住民の訴えを受け止めた公明党の松葉民雄、小住利子の両市議は昨年8月、江田康幸衆院議員や県議会公明党(河野成司代表)と共に現地を調査。すぐに江田氏が文化庁に働き掛け、県議会では戸高賢史議員が同年9月の定例議会で撤去の必要性を力説。
文化財保護法は、文化庁長官の許可を得れば、防災上必要な事業は実施できると定めています。文化庁が江田氏に対し、この岩の撤去も県から申請があれば、手続きを進める意向を示したことから、戸高議員が、県の速やかな計画と申請を求めていました。
(2021/10/1公明新聞より)