浸水対策“10年被害なし” 鹿児島市が国土交通大臣賞を受賞 (鹿児島市)
ハードとソフトの両面から浸水対策を進める鹿児島市の「低地区総合浸水対策緊急事業」が評価され、鹿児島市水道局は今年度、国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」(防災・減災部門)を受賞しました。事業実施から約10年間、床上浸水被害「0件」の実績に、市民から「安心して生活ができるようになった」との声が上がっています。鹿児島市が受賞した同賞は、災害対策のうち、下水道に関連する先進的な取り組みを表彰するものです。
■過去に床上浸水が234戸
受賞対象となった市の「低地区総合浸水対策緊急事業」は、過去に浸水被害を受けた地域などで、ハード、ソフトの両面から対策を進め、再発防止と被害の最小化を図る取り組み。同市では2004年から翌年にかけて3度にわたり、台風の影響などで潮位が上昇し、市内の低地区へ水が逆流したことなどから浸水被害が発生。2年間で234戸が床上浸水被害に見舞われました。
■ポンプ場や扉で再発防止
これを受け、市は07年度から11年度にかけて、甲突川左岸・下荒田、真砂・鴨池、谷山、桜川の各地区で同事業を実施。雨水ポンプ場の新設や改修(計14カ所)、逆流防止扉の整備(3カ所)などに取り組みました。また内水ハザードマップを作成したほか、土のうステーションも設置しました。市によりますと、事業完了後から現在まで約10年間、市内で家屋の床上浸水は1件も発生していません。
公明党の長浜昌三市議は、04年の台風被害の際、水が引く前から浸水地域に急行し、被災者の救援、復旧活動に尽力。住民の声を基に、会派の議会質問を通して市に対策を求めたほか、対策に関する住民説明会の開催にも取り組むなど、これまで市内の浸水対策に力を注いできました。
(2021/11/6公明新聞より)