スナノミをWHOが定める顧みられない熱帯病に位置付けることができました

「1-2㎝の大きさのノミが子どもと高齢者の足を食い荒らしている」との話を伺い、ケニアに向かったのは2016年12月。

首都ナイロビのスラム街にて、HIVと結核の蔓延状況を調査後に、長時間かけて最貧のエスンバ村に移動。村の広場には医療機関の待合室のように椅子が並び、確かにお子さんと高齢者ばかりがカミソリで虫を除去する痛みに耐えていました。

早速、私もメスを用いて、足から出血なく虫を除去すると「さすがに医師だ」とのお声も。除去した1-2cmの白と黒の塊をアルコール漬けにして、母校・長崎大学のケニア拠点に持ち込み、顕微鏡にて観察しました。

その結果、白黒の塊は1匹の虫であり、6本足を確認してノミであること、白い塊は血を吸って大きくなった1匹のメスで、黒い塊は卵を産んだメスであることを撮影し、ケニア保健省にマイル長官(当時)を訪ねてスナノミの蔓延状況を報告。
マイル長官より支援の要請を受けて、帰国後に外務省とJICAに情報共有したうえで国会にて支援を提案しました。

対象が砂に棲むノミ(=スナノミ)であることから、足が土に触れないことが有効な対策となります。子どもに対する支援として、日本の支援で立派な学校が村に完成しました。スナノミの研究が長崎大学で始まりました。さらに靴を送る運動に公明党学生局も賛同。真心の輪が全国に拡がり、九州においても長崎などから多くの靴が現地に届けられました。

そんな日本の支援を背景として、私は11月9日に参議院外交防衛委員会にて、スナノミをWHOの定める「顧みられない熱帯病(NTDs) 」に位置付けるよう求めて質疑を行い、厚労省がWHOに問い合わせた結果、WHOはリストに掲載していない段階で、スナノミがNTDsに含まれるとの見解を明らかにし、稲津久厚労副大臣がその旨を答弁しました。

WHOのNTDsに位置付けられたならば、創薬また医薬品の搬送へ世界的な動きも始まるでしょう。GHIT(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金)の大浦CEOと山部COOの表敬も受けたところです(https://youtu.be/z0by3Q0YosE)。

今や感染症は国境を越え、耐性を持ち、世界的な課題となっています。思えば母校・長崎大学とケニアの関係は、さだまさしさんの「風に立つライオン」のモデルとなった柴田紘一郎先生のご活躍をはじめとして長い歴史があります。命を守るバトンを受け継ぎ、現地で仕事をさせて頂く機会が与えられたことに感謝の思いです。

本年も頑張ります。九州公明党に対する変わらぬご指導をお願い申し上げます。

 

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