高瀬ひろみ

【高瀬ひろみの 「ワーク・ライフNEWS」】出産後の母と子に心身のケア、サポートを~改正母子保健法が成立~

12月に入り、寒い日が増えてきました。

臨時国会も終了し、今回も大事な法案がいくつも成立しました。そのひとつが
「改正母子保健法」です。

改正母子保健法は「出産後の女性や乳児を対象に、心身のケアに関する事業の実施を市町村の努力義務とする。安心して子育てできる支援体制をつくり、産後うつの予防や児童虐待防止につなげるのが狙い。」となっています。

これを読んでもイメージがわきにくいのですが、簡単にいうと、親と離れて暮らす(または親族のサポートが得られにくい)若い子育て世代にとって「身近な実家」のような温かい場所を市町村が提供し、安心して育児の相談ができ、必要な場合には宿泊したり、家に来てもらって家事や育児、母乳マッサージや睡眠をとって体を休めるなど心身のサポートを受けることもできる、というものです。

産後ケア事業はこれまでも公明党の国と地方のネットワークで、全国の市町村の約4割で行われてきましたが、その内容は大きく異なります。また6割の自治体では産後ケア事業そのものがまだ行われていません。

今回、「産後ケア」が法律にきちんと位置づけられたことによって、全ての市町村は産後ケア事業を行う「努力義務」が課せられます。

また、これまで、たとえば赤ちゃんが生まれた後、家事や育児のお手伝いのサービスを市町村から受けることができる制度(産後生活支援事業)は「産後4ヶ月以内」となっていましたが、「産後1年」まで受けることができるようになります!

じつは、この「産後事業は産後4ヶ月以内」というところについて、「こどもが産まれてすぐに保育器に入り、やっと退院できたのが生後4ヶ月頃で、家に帰って一番サポートが受けたい時にはもう制度が使えなくなっていた。もっと長い期間使えるようにしてほしい!」との声をいただいていました。

今回の法改正の議論の際にもこのケースをとりあげました。今回、「産後ケアは1年以内」となり、1年を過ぎても各市町村で行われる「育児支援」のサービスが引き続き受けられるようになります。

全国どこに住んでいても子育てで孤立することがないようにする大事な法改正。皆さんのお住まいの自治体でも、産後ケアがすすむように、取り組んでまいります。

高瀬ひろみ

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