村田教授

公明党に期待します ~結党55周年を迎えて~ (同志社大学・村田教授)

11月に熊本市で開催された公明党結党55年を記念する「党員講演会」では、同志社大学の村田晃嗣(むらた・こうじ)教授に、日本が抱える人口減少などの課題解決に向け、公明党が担うべき役割について語っていただきました。

① 小さな声を聴く力

日本が直面している最も深刻な課題は「人口減少」です。現在、約1億2600万人いる日本の人口は、今世紀の半ばには1億人を切ると言われています。
人口減少が進む中で、日本が国際社会で生き残っていくためには、1つは外国人労働者に頼るしかありません。すでに日本には260万人の外国人が住んでおり、今後も増加することが予想されます。外国人の流入数は世界で3番目に多い。
外国人が増えることで、人種や宗教的な多様化が進み、マイノリティー(少数派)の声を社会や政治に取り入れる必要性に迫られます。
私は公明党について、他党よりも〝小さな声を聴く力〟に長けていると認識しています。マイノリティーの声を拾い上げ、政治に反映する役割を公明党に担ってもらいたい。

② 高等教育の充実

日本が生き残るためにもう1つ重要なのが「一人一人の生産性を高める」ということです。そのために必要なのが高等教育の充実です。現在、日本の高等教育への投資額の割合はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも最低水準にある。日本の産業にイノベーション(技術革新)を起こす人材をより多く輩出するためには、高等教育の充実が不可欠です。この点でも、教育分野の政策を力強く進める公明党の働きに期待したい。

③ 日中関係の”要”に

また、国際社会で生き残るためには当然ですが「外交」がとても大事になります。現在、アメリカと中国の関係が非常に緊迫していますが、2030年代には中国のGDP(国内総生産)がアメリカを抜くと予想される中で、中国と良好な関係を築くことはとても重要なことです。公明党は日中国交正常化(1972年)の当時から、野党であったにもかかわらず、中国との交流を続け、日中関係の改善に尽力してきました。連立与党の一員として、公明党がさらに中国との外交の〝要〟となってほしい。

④ 地方と地方の結びつき

もう1つ、日本の外交にとって大切なのが〝地方と地方の結びつき〟です。連邦制を敷いているアメリカでは、国の意向と共に、各州が強い権限を持ち、独自の外交を行っています。今後、世界の州や市町村などの一地方と日本の県や市町村の交流が外交において非常に大きな役割を果たす可能性があります。ぜひ、公明党が抱える全国約3000人の地方議員が各地域で率先して声をあげてほしい。

○結党55年を迎えて

公明党も結党から55年を過ぎましたが、政党としてはやっと青年の域に達したところだと思います。これからも結党の理念を忘れず、また、政権与党としての責任感をもって国や地域の課題解決に取り組んでいってもらえることを期待しています。

村田教授